アラサー独身女が自分の恋愛について思うことをだらだら書き綴るだけのブログ。

アラサー独身女が自分の恋愛について思うことをだらだら書き綴るだけのブログ。

友人Sの告白について

中学時代からの友人Sと宅飲みした帰りのこと、「私には恋愛感情がない」という旨の告白をされた。


Sは10数年の付き合いになるオタク仲間である。二次創作の話や、互いの推しであるキャラクターのいわゆる腐女子的な妄想を語り合うような仲だ。


そんな他人にはとても見せられないような自分の恥ずかしい部分をSには見せてきたが、どうしてか現実の、自分と異性との間の恋愛については話題に上がることがなかった。


私は完全に異性愛者であるし、若い頃からモテないがゆえの惚れっぽさを発揮してきた。(だいたい優しくされて舞い上がってるだけなので、短期間で散っていた)

ただ、その中のひとつでもSと共有したことが無かった。Sに恋愛している自分を見せるのは、家族に話すのと同じように恥ずかしいものと感じていたからだ。


そして、Sも私と同じように気恥ずかしさから話題にしないものなのだと、完全に思い込んでいた。

恋愛感情を抱かない人がいることは知っていたが、自分の身近に、悩みとして抱えている人がいるとは思っていなかった。


「本当に誰も好きになったことがないの?一度も?」

デリカシーのない質問だったろうか。

Sは、キャラクターに劣情を抱くことはあるが、現実の男性にも、女性にも惹かれたことは一度もないと答えた。

しかしもちろん友愛や家族愛は感じているし、これが恋愛感情と異なることを認識している、と。


後で調べたら、性欲はあるが恋愛感情が無い人のことを「アセクシャル」と呼ぶらしい。

だけど、今まで恋愛感情を抱いたことがないだけで、もしかしたらこれから誰かを好きになるかもしれない、これは確かめようがない。


Sは、自分の性について名前があることを知って少しだけ安心したと言っていた。しかし、それについて考えて眠れない夜がある、ということも。


親は当然のように自分の子供が結婚して、妊娠して、出産して、子育てすることを期待している。

それが親の、老後の楽しみなのだろうと思うと、とてつもない苦しみを感じる。


Sの悩みとは次元が異なるかもしれないが、私も今彼との結婚に障壁を持っている。

しかしそれは、親の期待に応えようとするから生じるものであって、私自身の幸せを考えれば大した壁ではない。


Sの悩みを私が完全に理解することはできない。私はSではない。

私もSも家族を愛している。親に対して反抗せず、従順な態度のままこの年齢まで達してしまった。


ここにきて、親の期待に応えることに疲れが出てきた。世の自立しているアラサーが、自分の人生が自分のものである、と当然のように知っていることを、私やSは知らないでいた。


いい年こいて、親が重たい、親が面倒くさい、と感じることもまた、恥ずかしい。

そういった感情はもっと若いときに済ませておきたかった。もう大人なんだから、親に感謝したり、親を保護できるような力を持っていたかった。


年下の従姉妹が、自分の両親に国内旅行をプレゼントしたそうだ。

叔父夫婦が、私の親に嬉しそうに語っていた。


私は私ひとりを食べさせるので精いっぱい。比較する必要もないと分かっていても、劣等感や罪悪感に苛まれる。


せめて、親が思い描く通りの生き方では無くても、幸せだと言い切れる生き方ができればいい。親が思い描いた通りでなくても幸せになれることを証明できればいいなと思う。